運命は決まっていてその中で人は自由である

運命は決まっていてその中で人は自由である

私がはじめて占いを体験したのはある有名な占星術です。メディアで有名な占い師がお金で権利を買い取った、とのうわさがある占星術です。もう一つゼロ学占星術も体験しました。この二つの占いは計算法はまったく同じです。ただ12年12ヶ月12時間で訪れる運気の解釈と対処法がまったく違いました。といいますのも、太古、占いは修行を積んだお坊様や、神主、安部清明などに代表される陰陽師の仕事でした。

占いと聞くと妖しいとかスピリチュアルなものと想像しがちですが、実際は科学的な要素も含みます。例えば太陽暦、太陰暦、つまり現代のカレンダーもかつて占い師の秘鍵でした。この二つの暦に精通したものは、いつ種をまけば農作物が豊かに実るのか、雨の降りやすい時期、日照りのときなどを言い当てる事ができ、当時の人々は占い師はなにか特別な力宿しているように感じたのでしょう。その名残が現代にも残っているようです。

あくまでそのひとつとして占星術には生年月日をもとに今何をすべきか、あまり積極的にしないほうがいい時期か、などを驚くほど、正確に的中させこれからの生き方のアドバイスをくださいます。すぐれた占い師は「このままでは不幸になるわよ」、とか悩める人には言いません。心の医者が優れた占い師です。現在では心療内科の仕事みたいですが。私は事業で失敗し、借金にまみれ、人生どん底のとき有名な占星術の先生に占ってもらいました。

12周期で訪れる運気で恐ろしいのは五年運気が下がる時期がありそのとき積極的に動いてはならない、あたらしいことをはじめてはいけないと指導されそのことをすっかり信じてしまいました。まさに失敗したのがその時期だったからです。ですが悪い事ばかりがあたりいい事はまったく私には起きません.そんな折、知人にゼロ学占星術の先生を紹介していただきました。そして過去に占ってもらい、今でもその占ないどうりに行動している事を告げると、その先生ははっきりと、それは違うとおっしゃいました。

(ねえ,あなた。朝が来るでしょう。そして昼、夜。春夏秋冬。この世界はとどまることを知らず動くものでしょう。もちろんこういう時期にはこうしたほうがいい、と言う時期はありますけれど積極的にやってはいけない時期なんて無いんですよ。もしその先生に「明日あなたは死にますよ」といわれたら素直に信じて死にますか。それとも避けるための努力をしますか。例えば春夏秋に畑を耕し種をまき収穫をする。そして冬を乗り切る準備をし、作物の育て方、農業の指導等に時間を使い、さらに、その残りの時間で華道、茶道、剣術の稽古、もしくは指導を昔の人はしていましたが、今では、新たに進歩した農業を行うことで人の生き方も随分かわったのですよ。そういう物事を行うに適した時期はたしかにありますよ。それを生年月日で導き出すのが私の仕事。どうですか、見てみましょうか。

私は妙に納得し生年月日を告げました。開口1番(大丈夫ですよ)。何が大丈夫だ、こんなに苦しんでいるのに.いいかげんなこと言うなと私はまくし立てました。こんなに不幸で運がないし、失敗したばかりで借金もあるのに。すると先生は穏やかに(まず結論から言うとあなたが事業に失敗したのは勉強と、経験と実力不足。それに借金を苦に自殺する人もいるけれど、借金が1億あろうと1億の借金は物理的にあなたに何の危害も加えられないでしょう。昔と違って取り立てもこない。自己破産だってできる。いくらあるの)。

私は金額を正直に述べました。「それなら働けば返せる金額じゃない。それともうひとつあなたは自分が不幸だとおっしゃいましたけど、じゃあ幸せって何、)私にはわかりませんでした。1,2分沈黙し、正直に、わからないと告げました。すると先生は「幸せは作るものです」と諭してくれました。「幸せはそれを感じる能力を作らなければ味わうことはできません。あなたは充分苦しみました.苦しみを体感せずにどうして幸せを認識できますでしょうか。あなたはその苦しみに感謝すべきです。失ったものもあるでしょうけれど、それで得たものがたくさんあるでしょう。人の使い方、お金の大事さ、もしかして社長業には向いてないかも知れないという経験。それらすべてあなたが幸せを感じ取る能力を造るために必要だった。そう考えてみたらいかがですか」。

そのとき私の中のカチカチに固まったどす黒い氷塊が溶けるように、滝のような涙が流れ、私はきがついたいたのです。そう、自分はすでに幸せだった。呼吸が出来て、ものが食べられ、住むところもある。心配してくれた知人もいるし、何よりこの世に生まれて、今生きている.私の失敗は身分不相応な生活、お金に執着した結果だったのです。等身大の自分で生きる。その自由さにきずきもせず、自ら不幸の種ばかりまいていた自分を知ったのです。

先生は占いの本質は予言ではなくこれから起きるかもしれない災難を知り対処する術を学ぶ。つまり占いをはずすのが占星術の極意である、とにこやかに教えてくれました。タイトルの、運命は決まっていて自由であるとはその先生の受け売りです。今の私には意味がわかりません。ですが狂ったように怒りまくる私を前にしてにこやかに相談にのってくれた、あの笑顔がいつしか私にも出来たなら、そのときわかるような気もします。